40年位前に観た哀愁映画でいまだに心に残る名作「心の旅路」。
今も脳裏に焼き付いています。
1941年に公開された白黒映画です。
戦争で記憶喪失になった仮の名・スミスは入院先から散歩に出かけ迷ってしまう。
その時に街角のたばこ屋で踊り子のポーラと出会い、二人は愛し合い結婚します。
貧しいながらも幸せな2人。
小さな可愛い家、庭には可愛い梅の木があります。
しかし、幸せな2人に大変な事がおきます。
スミスが一人で外出の時、交通事故にあって頭を強く打ってしまうのです。
そして、その時に以前の記憶を取り戻します。
自分の名前がチャールズ・レイニアだという事を。
しかし、ポーラと3年間過ごした事や記憶をなくしてからの事を全て忘れてしまったスミス。
手がかりは、ポケットの中にあった鍵だけ。でも思い出せない。
そして、ポーラとスミスは離れ離れになり数年がたってしまった。
チャールズ(スミス)は大企業の経営者として仕事を再開していた。父からの会社を引き継ぎ、経営能力も優れていたチャールズは実業家として有名になる。
ポーラは、財界で名をなした彼を発見する。
ある日、チャールズは仕事で初めての町に部下と一緒に訪れた。
チャールズは部下にタバコを買って来るようにと店の場所を教える。
部下はチャールズに「この町初めてですよね。どうしてタバコ屋があそこにあると分かったのですか?」と聞いた。
チャールズもなぜ知っていたのか・・・と疑問を抱く。
そうこうしているうちに時が過ぎ、チャールズが新しい秘書を募集することになり採用されたのが名前をマーガレットと変えたポーラだった。
チャールズは元妻とは知らない。しかしポーラは知っていて応募したのだ。
自分を見ても何の感情も示さないチャールズに心を傷めるが、いつかは思い出してくれるはずだと期待をしながらマーガレットとして秘書業務をこなしていく。
国会議員の補欠候補になったチャールズは、形式上で妻が必要となりマーガレットに求婚する。
チャールズはマーガレットに恋をしていたが、マーガレットの心の中には誰かがいると感じていた。そして、自分も誰かはわかならいけど心の中に誰かがいると感じていた。
しかしプロポーズをしたのだ。
マーガレットもチャールズを愛していたので結婚した。
いつか昔の記憶を取り戻してくれるだろうと。
でも、思い出してくれない寂しさから休暇が欲しいとマーガレットは元の自分の町へと旅立った。
ある町でストライキがおこり、それを解決したチャールズはまたそこで以前のたばこ屋を見つける。
そこの地名もなんだか知っている気がして、わずかな記憶を頼りに色々な場所で思い出したことを訪ねまわり、小さな家を訪れた。
マーガレットもその時、元の家へと足を運んでいた。
チャールズは、ずっと気になっていたポケットの中の鍵を鍵穴に入れる。
するとカチッと開いた。その中は昔なつかしい居間があった。
ドアの前で佇むチャールズをみたマーガレットは「スミス!」と声をかける。
完全に記憶を取り戻したスミスは「ポーラ!」とさけび、2人は駆け寄り抱き合った。
庭には梅の花が咲き二人の再会を祝っていた。
40年以上前にみた映画なのにいまだに脳裏に残っている。
切なくて悲しくて突然いなくなった夫をやっと見つけたのに自分の事を忘れている。
それでも自分の正体を明かさずに傍にいて記憶が戻るまで待っていたポーラ。
傷つき苦しむ彼女の哀愁を感じました。
それでもやっぱり2人は惹かれ合い、最後には記憶を取り戻してハッピーエンドだったのですごくよかったです。